心霊学研究所
『ジャック・ウェバーの霊現象』
ハリー・エドワーズ著/近藤千雄訳
('01.01.01登録)

第二三章 著者の自己紹介


 

 一八九三年ロンドンに生まれ、ノエル・パークスクールに学ぶ。

 若い頃から公共活動に興味を抱き、十五歳の時に十八人から成る英国初のボーイスカウトを結成。のちに政治に興味を抱き、十八歳で自由党の一派の秘書となる。

 第一次大戦中はベルギー救援財団及びプリンス・オブ・ウェールズ救援財団で働く。一九一四年に英国サセックス連隊に入隊、翌年植民地インドへ派遣された時に兵士の衛生施設のひどさを見て、その実情を訴える十六ページから成るロイヤル・サセックス・ヘラルドという新聞を二週に一度発行した。

 一九一八年にイラクのバグダッドへ派遣され、さらに一九二〇年にはペルシャ(現イラン)へ送られ、そこで陸軍大尉となり、同時にベルシャ兵站線担当労働指揮官に任ぜられる。

 兵役を終えたあと印刷屋と文具店を開くかたわら、社会事業と政治にも参加。退役軍人のための協会と国際連盟(のちの国連)の英国支局を設立し、その双方の実行委員として活躍。

 一九二九年には英国議会選挙で北カンバーウェルから、一九三六年には北西カンバーウェルから出馬。またロンドン州会選挙に四回出馬する。

 一九三六年からスピリチュアリズムに興味を覚え始め、霊能養成会に出席して間もなく心霊治療能力と入神談話と霊視能力を発揮する。

 ジャック・ウェバー氏との出会いは一九三八年四月にウェバー氏が初めてロンドンを訪れ、ヘンドン・スピリチュアリスト協会で実験会を開いた時だった。

 それから九月初旬に至る四か月間にウェバー氏を三度招いて実験会を開いた。その三回目の実験会には著名な霊媒であるジョージ・デイズリー氏が出席していて、実験会を前にして、そのデイズリー氏とウェバー氏と著者の三人で談笑した。その時ふとデイズリー氏が椅子にロープで縛られるのはどんな気分がするものか一度試してみたいと冗談半分に言うので、それではということで本当に縛ってあげた。

 するとデイズリー氏が、支配霊のトマソがしゃべるようです、と言ってから入神した。出て来たトマソはまずウェバー氏に向かって

 「これからこの部屋が実験室となって新しい凄い現象が起きるようになります」と言ってから、こんどは筆者に向かって

 「あなたがその実験会の様子を本に書くことになります」と予言した。

 その当時はまだウェバー氏がロンドンに常住することになる話は出ておらず、従ってその予言を私は半信半疑で聞き、あまり気にとめていなかった。

 ところが二、三週間してウェバー氏から手紙が届き、ロンドンへ出たいと思うので適当な家を探してほしいと言って来た。最初のうち良い家が見つからなかったが、ふと筆者の頭にインスピレーションがひらめいて、隣の家の人に家を空《あ》けてもらえないものか頼んでみる気になった。頼んでみると意外にも快く応じてくれて、一か月としないうちに出てくれた。そして間もなくウェバー氏一家が住み込むことになった。

 以来その部屋で数多くの実験会が催され、写真撮影もいくつか成功し、それが本書となって出版される運びとなった次第である。

 

(完)


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