心霊学研究所
『ジャック・ウェバーの霊現象』
ハリー・エドワーズ著/近藤千雄訳
('01.01.01登録)

第二〇章 背後霊以外の霊による妨害行為


 

 実験室内の電気器具が故障したり、霊側が出す電力によるのではないかと思われるような、説明のつかない偶発現象が数多く起きている。

 たとえばある夜の実験で、いつものように赤外線写真を撮ることになっていて、バッテリー、リード線、接続等々全部オーバーホールしてチェックし、異常のないことを確認していた。

 いよいよ撮影のチャンスが来て「写真!」の命令が出たのでシャッターを押したところ、フラッシュが作動しない。バルブを替えてみたがやはりだめだった。実験が終わってから一つ一つバルブを試してみたら、ぜんぶ閃光を発した。

 リーズ心霊研究協会で行なった実験でも似たような現象が起きた。最初のバルブが作動しなかったので、ライトをつけてバッテリーを新しいのと取り替え、フラッシュ装置を点検してからライトを消し、実験を再会した。が、やはりバルブが閃光を発しない。何回やってもだめだった。そのうちの一回はフラッシュ装置のあたりに正体不明の光が見えた。

 ホームサークルにおける実験でも、加減低抗器に誰も手を触れないのに、赤色光の光度が何度も強くなったり弱くなったりした。

 別の実験会でも、原因不明の現象があったあと、ライトをつけて点検したところ、その家のヒューズに異常があった。

 後の二件の場合はヒューズと電圧を直接操作している証拠があり、背後霊の意図でやったことだという説明がつく。

 説明がつかないのが前の二件とフラッシュ装置近くに見えた正体不明の光である。表面的に見れば写真を撮らせないようにしたようでもあり、そうだとすると、せっかくの準備をみずからの手で台無しにしたことになる。

 そこで考えられるのが、霊媒の背後霊とは別のスピリットがやったという見方である。というのは、ブラック・クラウドが時おり、邪魔しようとする霊がいるのでコンセントを抜くようにと言ったことがあるのである。

 それは必ずしも悪質な妨害をしようとしたとはかぎらない。霊媒の背後霊団がある目的をもって実験しているその場を利用して、他の研究グループが彼らなりの考えで勝手に操作していると考えても、あながち不合理とも言えないわけである。

 一九四〇年一月にウルバーハンプトンで行なわれた実験会でショッキングな事故が起きた。列席者全員が注視している中で、浮揚していたメガホンがぱっと閃光を発して床に落ちた。ブラック・クラウドの要請でつけられた照明の中でウェバー氏が鼻と指の爪のところから出血して、人事不省になっていた。

 その日の実験会の主催者は同じく霊媒であるハーバート・ライト氏で、照明係も兼ねてサークルの外側に位置していたが、メガホンが閃光を発した時、ライト氏も太陽神経叢のあたりに猛烈なショックを受けた。そのショックで倒れそうになりながらも、ブラック・クラウドの「ライト!」の声を聞いてどうにかスイッチを押し、次の瞬間、氏も人事不省に陥った。

 これで判るとおり、メガホンから閃光が発せられた時はライト氏はスイッチを押しておらず、従ってその閃光はライト氏のせいではない。

 ライト氏の人事不省は十分ほど続いたが、その間氏は呼吸運動をしておらず、一方その身体から蒸気の雲のようなものが出てくるのが見えた。

 やがて意識を取り戻した時、ライト氏の衣服は汗でびっしょりになっており、その肌にはいわゆるサイキックバーン(霊的なヤケド)の跡がついていた。赤い色をしており、3/4インチの幅で太陽神経叢のあたりから出て、右まわりにからだをベルト状にひと巻きしていた。触わると非常に痛がった。

 が、ライト氏が受けた一番の危害は、それとは別の神経中枢の損傷だった。

 それから二、三日後に筆者がブラック・クラウドに事故の説明を求めたところ、これは、現象の演出のために出しているパワーが霊媒の頭上に下がっていた電燈線に接続されたために起きたとのことだった。

 実験室で使われていたパワーが、そのショックで霊媒とライト氏の二人に分散されて吸収されたわけで、こうした事故ははじめてだった。もしもライト氏に分散されずに全部がウェバー氏に吸収されていたら、氏は生命にも係わる大危害をこうむっていたであろうことはまず疑問の余地がない。


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