心霊学研究所
『ジャック・ウェバーの霊現象』
ハリー・エドワーズ著/近藤千雄訳
('00.07.27登録)

第三章 赤外線写真


 

 本書で紹介してある写真の撮影方法を素人《しろうと》流に説明すれば、およそ次の通りである。

 写真はすべて赤外線を使って撮影された。赤外線を使用すると、暗闇の中でも被写体の全てが普通の照明の中で撮ったのと同じくらい鮮明に写る。

 方法としては光線を通さないキャビネットの中に設置したフラッシュを閃《た》く、というだけである。キャビネットの片側には赤外線フィルターを取り付けてある。

 バルブ sashalite bulb は一〇〇、○○○から一五〇、○○○ワットの光線を出す。閃光時間すなわち露出時間は1/50ないし1/75秒である。

 それほどの短時間にそれほど強力な光を出しても、人間の目にはぼんやりとした弱い光にしか見えない。

 カメラにはその赤外線に感光しやすいプレート(感光板)が入れてある。

 赤外線がはじめて暗闇での写真撮影に使用されるようになった時、巷間ではこれで交霊会のトリックが暴かれると噂されたものであるが、現実にはウェバー氏の実験会によって物理的心霊現象の真実性が証明され、同時にそれが人間の“死後の存続”の証拠を提供することにもなった。

 赤外線はこうした用途にはもってこいである。まず第一に、発せられる光線がエクトプラズムの物質化像その他にほとんど害がないこと(紫外線のあるところではそうした物質化像は出来ない。霊媒の身体に危険だからである)。第二に暗闇の中での写真撮影を可能にしてくれるものとしては、これまでのところこれが唯一の方法だということ。

 露出時間の短いことで霊媒と列席者との間の共謀の可能性が消える。席を少し動いても知れてしまうからである。

 原則として複数のカメラを部屋の各所に設置して、いろんな角度から撮影している。その他に、相応なシャッター速度のカメラを持っている人なら誰でも撮影が許された。

 所載の写真の大部分は(第一章で紹介した通りの)新聞杜その他諸機関からの公式の代表立ち会いのもとで、ウェバー氏の霊能養成会《ホームサークル》による写真撮影を目的とした特別実験会で撮影されたもので、撮影用の機具一切は自分のものを持参していただいた。時にはウェバー氏がかつて一度も訪れたことのない土地でも行なわれた。

 大抵の場合、入神したウェバー氏を通じて中心的支配霊のブラック・クラウドがシャッターチャンスを知らせ、その瞬間にフラッシュの担当者がスイッチを押す。その間レンズは露出したままで、フラッシュが閃かれるのを待っている。一度はフラッシュのスイッチを霊媒の指の下に置いてブラック・クラウドに押してもらったことがある。その方が最高のシャッターチャンスが得られるからであった。


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